テント倉庫内の暑さ対策のご紹介
テント倉庫は密閉空間になりやすく、屋根裏や断熱性のある厚い壁を備えていないため、夏場の室温が40℃を超えることも少なくありません。
工場や倉庫の暑さ対策には、ベンチレーターの設置や断熱素材の使用、窓の設置やスポットクーラーの導入での空気循環が基本です。しかし、これだけでは十分でないことがあります。最大の原因である金属製の折板屋根からの放射熱を遮熱シートや遮熱材で抑えることで、根本的な対策が可能です。また、間仕切りカーテンやシートブースを設置することで空調効率を高め、室内全体の温度を均一に保つことができます。
暑さ対策のポイント
1. ベンチレーターの設置
屋根に設置し倉庫内の熱気や湿気を自然の風を利用して換気します。雨や風が吹き込まないようになっています。
室内に熱気がこもらないよう自然換気装置を設置することがおすすめです。
冬は空気を調整する事により結露対策を期待できます。
①自然式換気扇
電気を使用せず風圧力温度差を利用して換気を行う省エネタイプ。機械音がなく騒音ゼロ。
②電動式換気扇
モーターを使用するためより効果的に換気ができます。
換気能力は自然式に比べ高くなります。
2. 断熱素材の使用
テント倉庫の屋根や壁に断熱素材を取り付けることで、外部からの熱の侵入を防ぎます。
●断熱材
役割: 断熱材は熱の伝導を抑える役割を果たします。これにより、外部からの熱がテント内に入りにくくし、また内部の冷気が外部に逃げにくくします。断熱材は、熱の伝わりを遅くすることで、温度変化を緩やかにします。
素材: グラスウール、発泡ポリウレタン、断熱フォームなど、主に繊維質または発泡系の素材が使用されます。
効果: 温度の安定性を保つため、夏は涼しく、冬は暖かくする効果があります。
●遮熱シート
役割: 遮熱シートは、主に赤外線や紫外線を反射して熱の侵入を防ぐ役割を持ちます。外部からの熱を反射することで、テント内の温度上昇を抑制します。遮熱シートは、熱が伝わるのを「防ぐ」のではなく「反射する」ことで熱を管理します。
素材: アルミニウム箔や特殊コーティングされたフィルムなど、光を反射する性質を持つ素材が使われます。
効果: 日射による温度上昇を抑え、夏場の冷房効率を高めます。ただし、断熱材ほどの温度安定効果はありません。
遮熱シート・遮熱材の施工事例
愛知県で施工した、折板屋根用の遮熱シートの事例です。この遮熱シートは、屋根に穴を開けたりビスを打ったりすることなく、専用のブラケットで挟み込み、フレームを固定する施工方式を採用しています。そのため、屋根を傷つける心配がありません。
遮熱シートの最も効果的な施工方法
✅ 屋根の外側と内側に施工
遮熱シートを貼ることで、太陽光を直接反射させ、熱の侵入を防ぐことができます。
屋根裏に施工する場合も同様に、熱の伝わりを防ぐ効果があります。
✅ 壁面への施工
壁面にも遮熱シートを施工することで、側面からの熱の侵入を防ぐことができます。
3. 窓の設置
側面にアルミサッシ窓を追加することで換気が可能になります。特に、風上と風下に配置するように工夫して複数設置すると、空気の流れが良くなります。暑さ対策としては日射角度に注意が必要ですが、窓からの自然光も取り入れられます。これにより、照明の使用を減らして省エネに繋げることができます。
窓と同様に、出入り口を追加することでも換気性能を向上させることができます。例えば、妻面の両側に大きな開口部を設けることで、十分な自然換気を実現できます。
4. スポットクーラーの導入
テント倉庫全体を冷やすのは難しいため、スポットクーラーを使用して局所的な冷却を行うことが効果的です。特に作業スペースや休憩エリアに設置することで、従業員の体温上昇を防ぎ、快適な環境を提供します。
5. 間仕切りアイテムの設置
間仕切りカーテン
間仕切りカーテンは、倉庫内の空気の流れを制御するために使用されます。これにより、冷房や換気の効率を高めることができます。例えば、間仕切りカーテンを使用して、冷気が必要な作業エリアを特定し、そのエリアだけを冷却することが可能です。この方法は、全体を冷却するよりもエネルギー効率が高く、効果的な暑さ対策となります。
シートシャッター
シートシャッターは、迅速な開閉が可能なため、外部の熱気が内部に流れ込むのを防ぐことができます。特に、頻繁に開閉が行われる出入り口に設置することで、外部と内部の温度差を最小限に抑え、倉庫内の温度を快適に保つことができます。また、シートシャッターは風やほこりの侵入も防ぐため、衛生面でも優れた効果を発揮します。
ブース・間仕切り壁
屋内ブースを設置することで、倉庫内の特定エリアの温度を効率的に管理できます。屋内ブース内の温度を一定に保つために必要なエネルギーは、広いテント倉庫全体を冷やすよりも少量で済みます。これにより、冷房コストの削減とエネルギーの効率的な使用が可能となります。
個人で出来る暑さ対策
1. こまめな水分補給
暑さによる脱水症状を防ぐため、こまめに水分補給を行うことが重要です。水やスポーツドリンクなどを定期的に摂取して、体内の水分バランスを保ちましょう。
2. 空調服の着用
空調服を着用することで、テント内の暑さを和らげることができます。空調服は内蔵されたファンが風を送り込み、体を冷やす効果があります。
3. 市販の暑さ対策グッズの利用
冷感タオルやアイスパック、冷却ジェルなどの市販の暑さ対策グッズを活用し、体を直接冷やすことができます。手軽に持ち運べるため、作業中でも簡単に使用できます。
暑さ対策の目的
1. 作業環境の安全性向上
暑さによる熱中症や脱水症状を防ぎ、作業者の健康と安全を確保することが重要です。適切な暑さ対策を講じることで、過酷な環境でも安全に作業を続けることができます。
2. 作業効率の維持・向上
高温環境では体力が消耗しやすく、集中力も低下しがちです。快適な温度を保つことで、作業者の疲労を軽減し、作業効率を維持・向上させることが目的となります。
3. 設備や商品の保護
テント倉庫内に保管されている設備や商品が高温にさらされると、劣化や損傷の原因となることがあります。適切な温度管理を行うことで、これらを保護し、品質を維持することが目的です。
作業場所の温度が40℃を超えると、電気設備機器が故障したり、誤作動を起こしたりするリスクが高まります。
建物内に熱源設備がある場合は、機器や設備に遮熱シートを貼ることで、輻射熱放による故障・誤作動を防止することができます。
また、電気設備機器のある区画に間仕切りカーテンを設置し、空調効率を高める方法も効果的です。
建物内が熱くなると、従業員だけでなく機器や設備にも悪影響を及ぼします。機材の暑熱対策も忘れずに実施しましょう。
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